最優秀賞 一般事業部門
手軽にSDGsへ貢献!農福連携WEBマッチングサービス『農Care』!!
アグリトリオ 石川浩之 さん / 小林勇太 さん(株式会社アグリトリオ)
農福連携マッチングサービス「農Care」(ノウケア)はご利用いただくだけでSDGs目標達成に貢献できる、日本初のマッチングサービスです。実は、アグリトリオは福祉業界へ向けたサービスを当初から考えていたのですが、当時のアイデアでは事業性が乏しく、断念した過去の経験を活かし、農業分野と福祉分野を掛け合わすことで、農家の労働力不足の解消と障がい者雇用の創出を行う、画期的なサービスを考えました。特徴としては、動画と静止画2つの農作業マニュアルをすべての募集に掲載、健常者である事業所の支援員が毎回同行、判断に迷う作業を極力減らし工程単位で作業を切り出すなど、農家側も障がい者側も安心して利用できるサービスとなっています。利用するだけでダイバーシティマネジメントをはじめとする、複数のSDGs目標に貢献できるシステムです。



受賞コメント
この度は、素晴らしい賞を頂戴し光栄に思います。今回の賞をきっかけに、「農Care」の存在を知って頂き、東三河が農福連携の先進地域となり、豊橋モデルとして全国に広がっていく事を期待しています。ご支援いただいたすべての方々に感謝いたします。ありがとうございました。
委員長コメント
本プランは、農家の人手不足と障がい者雇用という2つの社会的課題を解決する事業提案となっている。先行事業である農業マッチングサービス『農HOW』で培った資源に基づく展開は、ソーシャルビジネスの弱点である収益性を実現する狙いとして高く評価される。農業・農家、そして障がい者雇用の本質的課題をしっかりと見極めるところから、農福連携に至らせるプロセスはビジネスプランニングの鑑といえよう。事業開始から、着実に実績を上げており、この東三河地域から大きく展開していく構想に期待し、本年度の最優秀賞とする。
優秀賞 一般事業部門
ビズキッズラボ ~小学生からはたらく準備をはじめよう~
JiTan 丹治大佑さん / 藤井俊平さん (事業構想大学院大学)
「ビズキッズラボ」それは、子供が社会とつながるキッカケの場所。変化の激しい時代、これまでの正解が通じない世の中で、子供は未来へと続く熱気球へ乗り込んでいく。そこには、社会や仕事、世界へとつながる新しい景色が広がっている。子供達は、自分のわくわく感を道しるべとして自らの道を切り拓いていく。―――ビズキッズラボでは、オンラインを通じて「知る」「身につける」「やってみる」の3つの価値を提供します。世の中の仕事や世界を「知る」ことによる未来への可能性の広がり、将来はたらく上で必要なコミュニケーション力・発想力・お金のことを学び「身につける」、仲間と共に実践的なロールプレイを「やってみて」無限の好奇心から生まれるアイディアをカタチにします。そして、そのアイディアを最前線で働く大人のビジネスマンがメンタリングをし、子供と一緒に企業へと繋いでいくことで社会へ還元していくエコシステムを創り出します。オンラインだからこその手軽で身近な世界観、海外の子供たちとのつながり、学年を越えたデジタルネイティブたちの集まる創造ラボを実現します。



受賞コメント
自分の抱える課題意識に対して共感頂けたことが何よりも嬉しく感じました。と同時に、次へと進む自信に繋がりました。このような歴史のあるコンテストで受賞頂けました事に、心より感謝いたします。
委員長コメント
本プランは子どもの持つ独創性を軸に、子どもが仕事や社会を学び、企業とのコラボレーションなどの経験を通じて成長する仕組みを提案している。新卒採用者の3割が3年以内に離職するというなか、早くから社会やビジネスの仕組みを体験的に理解することは、確かに意義深いものといえる。出だしとなる『子どもビジネススクール』では、ビジネス能力の修得だけでなく、オンライン授業の導入により、多様性 やグローバルな感性を身につけることも狙いとしている。本プランの実現に向けては課題も残されているが、提案者の着想と熱意を評価し、また、社会に果たす成果を期待し、本年度の優秀賞とする。
20周年記念賞 一般事業部門
ここは、野菜を余さずつなぐハコ。食の課題解決を通じて農家のプライドと生活者の笑顔を紡ぐ事業「べじはぶ」
藤井恵美子さん (合資会社雅風)
農家のプライドと生活者の笑顔をつなぐ事業「べじはぶ(ベジタブルとハブを合わせた造語)」について発表させていただきました。調査によると日本で1年間に出されるフードロスのうち3分の1近くが生産者側から出されています。ご存知のように田原市は、農業王国と呼ばれるほど農業が盛んな地域です。そして、生産高に伴い規格外の野菜も多く生まれていて、このことをかねてより“もったいない”“何とかしたい”との思いから試行錯誤を繰り返して、色鮮やかで野菜の旨味がダイレクトに味わえる商品「ドライサラダ」を考案し商品化しました。今回のプランは、規格外の野菜をデザイン(加工)をする事で新たな命を吹き込み、その商品の物語と共に生産者と生活者を繋ぐ中心地、結節点となるハコ(施設)を造ることによって、今までよりもっともっと食品ロスを減らしていき、そこから生まれる働き甲斐や社会貢献的な意識を幅広い領域にアプローチしていくことで社会の課題を自分ゴトからみんなで考える地域ゴトにしていく事業です。
受賞コメント
今回、コンテストに参加するにあたって、私には、幾つもの葛藤がありました。ですが、素直に思いを伝えていくことで新たな発見や出会いが私を助けてくださいました。折しも、弊社は細々とではありますが起業二十年目を迎えました、時を同じくしてこの20周年記念賞という特別な賞をいただきましたこと、ご縁して下さった皆様に感謝申し上げます。これからも自分らしく進んでいきたいと思っています。ありがとうございました。
委員長コメント
本プランは、食品ロス(規格外野菜の廃棄)という社会課題への取り組みを事業化するものである。農業王国•田原市にあって規格外野菜の廃棄は相当数である。この問題に対して、単に規格外野菜の商品化事業を展開するのではなく、生産者や生活者、消費者など、ステークホルダーのそれぞれの想いや価値を橋渡しするというコンセプトを持つことにより、大きな社会貢献を果たそうとしている点は高く評価される。実現に向けての課題もあるが、地域に対する想いと事業化の熱意に期待し、本プランを20周年記念賞とする。
特別賞 一般事業部門
握力維持用具「グリップセイブ」の開発及び販路拡大
松倉佳史さん (山口化成工業株式会社)
今回は握力維持用具グリップセイブの開発及び販路開拓の紹介をさせていただきました。弊社の固有技術である発泡スチロール成型技術と新素材(E-TPU)の研究開発により握力維持用具グリップセイブ開発いたしました。握力低下は死亡リスクや様々な循環器疾患リスクが上がるといった研究結果がありグリップセイブは握力維持用具として握力を落とさないように維持し、健康管理に繋げ予防医学の一助となることを目指しました。現在では老人介護施設の協力のもと実証をしていただき一定の効果があることがわかり福祉用具としての販路開拓が進んでおります。



受賞コメント
この度は、特別賞に選出していただき誠にありがとうございます。弊社は車椅子メーカーと共同開発して日本で初めてE-TPUを用いた車椅子タイヤのノーパンクチューブを開発、製品化しました。この開発が医療福祉分野に進出するきっかけとなり今回は弊社独自で握力維持用具グリップセイブを開発しました。未知な分野への参入で したが、この事業を通して利用者さんの嬉しい声や、他業種の方から様々な有益な意見を頂くことができました。これからもグリップセイブの改良に努めると共に、E-TPUの可能性を掘り下げ、より良い商品を提供できるように研究閲発に努めていきます。
委員長コメント
本プランは、握力低下による健康リスクの調査研究に着目し、新素材(E-TPU)と固有の加工技術を活かした握力維持用具「グリップセイブ」という新商品の開発提案となっている。既に同素材を用いた車椅子のノーパンクチューブ製造において培った資源を活かし、新たな分野とターゲットを定め、実証実験段階を経ていることは評価される。販売戦略や販路開拓については、今後の検討課題といえるが、本商品のもたらす効果や様々な用途展開の可能性に期待し、本プランを今年度の特別賞とする。
特別賞 一般事業部門
災害備蓄保管箱への「トランスフォーム段ボール」活用
同期コンビ「とういちろう」 高柳祐一朗さん / 白井藤次郎さん (株式会社トヨコン)
使用された後、捨てられてしまうことの多い段ボール箱。再利用されることで循環しているものの、新たな使い道がないかと考えたのが「トランスフォーム段ボール」です。通常の保管・輸送用の箱として使用した後に、変形させることで2次利用が可能であることがポイントで、その用途として今回「災害備蓄品」の保管箱としての活用を考えました。大規模災害発生時の課題の一つで、生活者の精神的負担が大きいと知り、今回の商品を災害備蓄用の商品保管箱として活用することで解消出来ると考えています。


受賞コメント
職業柄、被災地への支援物資として段ボール製のパーテーション・ベッドが送られていることは知っていました。その中でふと、支援物資は生活支援だけでなく「遊び・豊かさ」も届ける必要があるのでは?と思い、調べるとメンタルケアのニーズはあるものの、交通網などインフラ面での制限、自治体の予算など様々な課題があり、生活必需品以外の物資は準備していないのが現状でした。当初は、避難生活の厳しい状況の中でも使える段ボール遊具を作りましたが、現地へ送ることができなければ意味がありません。本製品は被災地へ支援物資を送るための段ボールがトランスフォームし、心の豊かさも届けるものです。いまは商品化を夢みながら、段ボールをトランスフォームさせる毎日です。
委員長コメント
本プランは、自社製品である段ボール箱に保管・輸送以外の新たな機能として『遊び』を付加した新商品開発の提案となっている。活用シーンは、災害救助用備蓄品の保管箱という限定的なものではあるが、避難所生活でのストレス解消や心のケアにこの『遊び』が大きく役立つのである。今後発生が予想される大地震や頻発する自然災害を考慮すれば、ニーズも高く、更なる用途開発も求められるものと思われる。このような商品価値を高めるチャレンジと事業計画への取り組みを高く評価すると共に、本事業のもたらす貢献を期待し、特別賞とする。
特別賞 一般事業部門
「いいね!」と思わず言っちゃう、定規
中村孝典さん (UHOLABO)
元工業高校教師が考案した、とっても便利な定規。製図で使う分度器やコンパス、三角定規、テンプレートは持ち運びが不便で道具を使用中は机の上も散乱状態。そんな悩みを解決するために、現役工業高校生の意見を取り入れ、使いやすさ携帯性にこだわり、コンパクトで多機能な定規に仕上げました。ペンケースの中身がスッキリするだけではなく、この定規1本で分度器、コンパスなどを使わずに正確な図面が描ける。革命的な定規の名はベスト定規。分度器(Bundoki)、円(En)、三角定規(Sankakujyougi)、三位一体(Trinity)の頭文字を取って、ベスト定規と名付けました。



受賞コメント
特別賞に選んでいただきありがとうございます。商品として完成形までには多くの人と関わり、ものづくりだけでなく、人とのつながりができたことに感謝申し上げます。工業高校で教師をしていた経験を活かし、誰でも簡単に使えて、正確に図面が描ける。しかもコンパクトで高機能と欲張りすぎた気がしますが、定規と言ったら、「ベスト定規」、ペンケースの必需品を合言葉に日本中、世界中に広めたい。デザインも独特で目を引くこと間違いなし。今回の受賞をステップに会社を設立し、障がい者雇用ができる企業に成長させたいと思っています。
委員長コメント
本プランは、分度器やコンパス、三角定規などの機能が盛り込まれた直定規の商品開発を提案している。多機能とはいえども、個々の文具機能を正確に発揮するものばかりではなく、ターゲットとされる工業高校生が製図など、よく使う程度に限定されている。現役高校生へのヒアリングや工業高校で16年の教歴がある提案者ならではのアイデアによって作成されたユニークな商品となっている。製図・設計図以外に、デザインや漫画イラストの分野での需要を期待しており、今後の販売戦略が課題といえる。提案者の本事業に懸ける熱意と社会貢献に対する意欲を評価し、本年度の特別賞とする。