最優秀賞 アイデア部門 豊橋市長賞
錯覚介護~あの辺りをさがしてみたら?~
中京大学 千賀 駿さん
認知症の方は、「貴重品」をよく無くすという特徴が見られる。認知症による記憶力の低下により保管したこと自体を忘れてしまい、一人で見つけることが困難になる。また、"無くしもの"を繰り返すことで、家族が盗んでいるのではないかと疑うようになる。この些細なことが原因となり、家庭内トラブルにつながっていく。この「錯覚介護」は認知症の方と介護者の"無くしもの"によるトラブルを回避するためのビジネスプランである。"無くしもの"の場所を画像認識技術により想定し、介護者が「あの辺り探してみたら!?」と提案することによって、本人に"無くしもの"を見つけてもらう。



受賞コメント
私は認知症デイサービスで勤務しています。実際に困っている方と関わり、勤務を始める前と後では、自分が想像していた事と実際はこんなに違い、今までの自分の言葉がいかに薄っぺらなものであったのかを知りました。同時に、利用者さんとの交流は私にとって有意義な時間であり、「この方たちのために」という目的を見つける場ともなりました。今後も家族が笑顔で暮らせるよう全力を尽くします。みなさんありがとうございました。
委員長コメント
本プランは、認知症介護の現場で見られる「物盗られ妄想」といった問題の解決をテーマとしており、無くし物発見のツールとシステムを提案している。実際に介護施設に勤務される提案者ならではの着想とシステムに画像認識技術を利用するといった試みは高く評価される。実用化に向けての今後の展開に期待したい。
特別賞 アイデア部門
田原まちおこし「廃棄キャベツ活用連携協議会」設立
豊橋創造大学 清田 京太郎さん
「捨てる」ことの無駄を少しでもなくしたいという「もったいない精神」を町全体の問題として周知徹底していき、廃棄キャベツの活用先として販路開拓をする。協議会を設立して、家畜の飼料ではなく、飲食業への再利用提案、食品製造会社への利用価値を追究するコラボレーション企画などを提案し地域の活性化を促進する。



受賞コメント
この度、私が受賞することができたのも先生方や、当日サポートしてくださった友人の存在があってこその結果です。彼らの存在なくしては決して完成することがなかったものだと感じております。このように協議会を設立するためには 1 人の力だけではできないですし、個の力は集団の力には到底及ばないということを改めて理解することができました。来年からは社会人なので、この経験を活かし一層努力していきます。
委員長コメント
本プランは、地域の特産品であるキャベツの廃棄問題に取り組むという提案を行っている。この問題が報じられるようになって久しいが、解決策は示されていない。非常に大きなテーマであるが、生産者の家庭に育ちながら、個人的ではなく、地域としての取り組みや再利用のコミュニティ形成を訴えている点は、社会的課題を解決する上でも、重要であり、評価できる。後継者としての将来に向けて、本プランの実現を期待したい。