最優秀賞 アイデア部門

どこはく文化財シェアリングサービス

 中村萌さん (事業構想大学院大学)

どこはくは、文化財の所有者や博物館の収蔵庫で眠る文化財(遊休資産)を博物館以外の場所で鑑賞できるサービスを提供するプラットフォームです。これまで文化財の貸し出しは、博物館同士、研究者に限定されていましたが、利用者を広く、有償で貸し出しをおこなうことで、文化財をシェアリングし、博物館や文化財の所有者にとって収益を得る仕組みを作り出します。

受賞コメント

この度は最優秀賞をいただきまして、大変嬉しく、光栄に思います。このような賞をいただけたことは、勤め先であるナカシャクリエイテブ株式会社からの支援や同僚のサポート、日頃から熱心にご指導いただいた事業構想大学院大学の雲井純先生、中畑千弘先生をはじめとする先生方あってのことであり、心より感謝申し上げます。このビジネスプランは、多くの税金によって守られてきた文化財が、少子高齢化が進む日本でこの税金に頼る仕組みが成り立たなくなるのではと危機感を感じたことをきっかけで構想しました。遊休資産を活用することで、文化財を保存するための収益の確保し、さらにはその収益を投資に回す好循環の作りたいと考えております。今回の受賞を励みとし、「地域に残る文化を1,000年先の未来につなげたい」という思いで、活動を進めてまいります。

部門審査委員長コメント

このプランは、美術館や博物館の収蔵庫に眠っている美術品を広く一般に貸し出すというビジネスモデルである。多くの美術館や博物館が抱えている収蔵庫のひっ迫、展示スペースの不足、さらには財源の確保といった課題を一挙に解決できるとても斬新なアイデアである。また多くの人が様々な美術品を身近に接することが可能となるなど、社会的・教育的効果にも大きく寄与することが期待できる。需要と供給が上手くマッチすれば実現性の高いアイデアであり、本年度の最優秀賞とする。

優秀賞 アイデア部門

茶染めベビースタイ

ちーむCHA! 森重美幸さん 中野友貴さん 森田新菜さん (中京大学)

東三河地区の特産品である三河木綿、奥三河で育てられているお茶の2つを用いたベビースタイを考えました。三河木綿でスタイ生地を縫製し、その後緑茶を染料として染色します。三河木綿の優しい肌触りが良いだけでなく、お茶の持つカテキンによる自然由来の抗菌効果が期待され、よだれでベタベタになりやすいスタイを清潔に保つことができます。スタイは出産祝いとして多く選ばれます。そして、出産祝いは赤ちゃんへの初めての贈り物だからこそ、ただのスタイではなく、赤ちゃんにぴったりな自然由来の優しさが詰まったこのスタイを選んでいただきたいです。

受賞コメント

この度は、優秀賞に選出していただき、ありがとうございます。東三河の特産品を掛け合わせ、より魅力が詰まった物を生み出したいという想いから、このビジネスプランを考えました。困難もありましたが、アイデアの段階から試作品作成の段階まで進むことができ、貴重な経験となりました。このビジネスプランの作成にあたり、試作品作成にご協力いただいた三河地区の企業の皆様、アンケートにお答えいただいた保育園の皆様、アドバイスをくれた仲間たち、ご指導いただいた先生に心から感謝申し上げます。今回頂いた賞を1つの通過点として、ビジネスプランを実現させ、より多くの人へ茶染めベビースタイを届けたいと思います。

部門審査委員長コメント

このプランは、赤ちゃんの使うスタイの衛生面を考慮し、木綿のガーゼに抗菌効果がある茶染めを施したスタイを製造販売するものである。新城茶と三河木綿を使用するなど東三河地域の特産品のPRにもつながるものである。また、地域の企業にも協力してもらうことにより実現性の高い提案となっている。事業化に向け資金の確保を始めラインアップや販路拡大に向けた検討を期待し、本年度の優秀賞とする。

特別賞 アイデア部門

テイクアウト容器の開発 環境保全しながら竹害を低減「バンブーBox」

 羽佐田汐音さん (豊橋創造大学)

私はテイクアウトを行っている飲食店でアルバイトをしています。その中で新型コロナウイルスの影響を受けてテイクアウトが増えたように感じ、環境に悪いプラスチック容器のゴミが増えていることに気づきました。そこで考えられたのが竹の粉で作られた土に還すことができるバンブーボックスです。特徴は2つあります。1つ目は循環型商品ということです。竹の粉とユリア樹脂を用いることによって土に埋めると自然に還すことができ、ゴミを出しません。2つ目は竹害の低減にも繋がっていることです。紙の容器も環境にいいかもしれませんが森林伐採という大きな問題があります。それに比べて竹を用いることで竹害という伐採されなくなった竹が近隣の森林の生態系を壊す問題を解決することができます。2つの問題を同時に解決できるそんな商品になってます。

受賞コメント

この度は特別賞に選んで頂きありがとうございます。このような賞を頂いて嬉しい限りです。またこの商品を考えるにあたってご協力して頂きました方々に心から感謝申し上げます。私は新型コロナウイルスの影響を受けて増えたプラスチック容器のゴミを減らしたいという思いから、それに代わる容器を考えました。改善点は多くあると思いますが自分の考えたアイデアを評価して頂けて光栄です。

部門審査委員長コメント

このプランは、竹を粉砕して成型・圧縮し弁当箱などの容器を製造販売するものである。廃プラスチックの減少と管理されなくなった竹林による被害の低減という社会問題を同時に解決できる提案であり、実現されれば循環型社会の形成に寄与できる提案である。事業の実現に向け製造技術の確立や竹を確保する仕組みづくりなどの検討を期待して、特別賞とする。

特別賞 アイデア部門

FARMILY~みんなでやろまいグループ栽培~

チームガーデン 小南勇人さん /六郷和馬さん /伊與田彩花さん /西川未奈己さん (中京大学)

本プランでは、衰退する農業の活性化に向けて、耕作放棄地を再活⽤したグループ栽培の提供サービスを提案しています。家庭菜園を通じて農業に興味を持ってもらえることを期待しており、そのために家庭菜園のデメリットをグループ栽培という形で解消しています。通常の家庭菜園が1人や家族単位で行うのに対し、グループ栽培は,家庭菜園に興味がある人たちが集まり、1つの畑で共同で栽培をします。それにより作業の分担、ノウハウの共有、人脈の形成が期待できます。本サービスにより日本の農業のさらなる発展と東三河地域が活気のある街になることを望みます。

受賞コメント

この度は、特別賞に選出して頂きありがとうございます。数多くの応募の中から選んで頂くことができ、とても嬉しく思います。今回のアイデアは、衰退する農業を救いたいという想いから考案しました。新たな事業を企画することの難しさとともに、これまでにないコロナ禍での活動で、なかなか上手く進まず苦しい時もありましたが、妥協することなく最後までより良いものを追求することができました。この賞は私たちの力だけでは決して取ることができなかったと思います。協力してくれたゼミの仲間や先輩方、先生にとても感謝しています。

部門審査委員長コメント

このプランは、耕作放棄地を家庭菜園に興味がある人に紹介するマッチングサービスの提供である。社会問題となっている耕作放棄地を家庭菜園に貸し出すという発想は面臼い。またグループに農地を貸し出すことにより一人では難しい農園の維持がたやすくなるというメリットも考えられている。農地の確保や家庭菜園の希望者をどのように確保するかなどの検討を期待して、特別賞とする。

特別賞 アイデア部門

えあふれ

Repelars 伊藤汐音さん /福永友恵さん /前田春陽さん (トライデントコンピュータ専門学校)

換気を“正しく”できていますか?新型コロナウイルスが流行し、換気に関心が高まっています。「えあふれ」は、スマートフォンにある、周囲の明るさを感知する照度センサーを利用して、換気の状況を教えてくれるアプリです。具体的には、スマートフォンに、カラーセロファンを用いて作った装置を装着し、換気が気になる部屋に置きます。換気が適切であれば、風でなびいたセロファンが、センサーに近づいて照度の値を低くしたり、離れて高くしたりします。そうしてできた照度の差で、空気が循環しているかを判定します。逆に、換気が適切でなければ、天気情報から現在の風向きを取得し、開けるべき窓を探します。「えあふれ」で、換気の方法を見直してみませんか?

受賞コメント

この度は特別賞をいただきまして、誠にありがとうございます。「えあふれ」は、“換気がうまくできているかどうかが不安”というメンバーの悩みがきっかけで生まれました。また、普段から学んでいる技術を生かし、今回はそれを形にしました。3人だけでは、ここまでしっかりとしたものには辿り着けていなかったと思います。お忙しい中、たくさんのアドバイスやサポートをしてくださった先生方に、心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、世の中に貢献できる開発者になれるよう、今後とも勉学に精進してまいります。

部門審査委員長コメント

このプランは、新型コロナウィルス感染防止のため、部屋を換気するタイミングをお知らせする製品の提案である。スマホの照度センサーとカラーセロファンを利用し風を感知し、換気ができているかどうかを知らせるという発想はとてもユニークである。製品化に向け更なる技術の向上と、利用方法や販売方法など更なる検討を期待して、特別賞とする。